教会学校 聖書のおはなし
ニコデモの悩み」 ヨハネ3:1-15  2020年6月7日 綿谷 剛兄

【ニコデモの悩み】
 ニコデモという名前の人がいました。この人は、ユダヤ人の議員で、パリサイ派の一人で、神様のことをとても熱心に勉強をしている人でした。もっと神様のことを知りたい、自分が救われて、天国に行くにはどうしたらいいんだろうと悩んでいました。他の多くのパリサイ派の人達は、イエス様のことを嫌っていて、何とかイエス様を言い負かしてやろうと思っている人達もたくさんいましたが、ニコデモは違いました。
 ニコデモは、夜、イエス様のもとにやって来ました。きっと他のパリサイ派の人達に見つからないようにしたのです。そして、イエス様に言いました。
 「先生。私たちは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神がともにおられなければ、あなたがなさっているこのようなしるしは、だれも行うことができません。」
 ニコデモは、イエス様のお働きを見て本当にそう思って尊敬していました。でも、イエス様は、そのことには直接お答えにならず、ニコデモの目をじっと見つめて、ニコデモが何を悩んでいるかを見透かすようにこう言われました。
 「まことに、まことに、あなたに言います。人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。」
 日本人なら、死んで生まれ変わることかなと思うかもしれませんが、ニコデモには全く意味が分からず、こう言いました。
 「人は、年をとってから、どうやって生まれることができますか? お母さんのお腹にもう一度入って、生まれることなどできませんが。」

【水と御霊によって生まれる】
 イエス様は、答えられました。
 「まことに、まことに、あなたに言います。人は、水と御霊によって生まれなければ、神の国に入ることはできません。」
 つまり、体が生まれ変わることを言っているではありませんよ。神の国に入るには、霊が新しくされることが必要なのですよ。とおっしゃんたんです。
 ニコデモは、それでもよく分かりません。
 「どうして、そのようなことがあり得るでしょうか。」
と聞きました。
 イエス様は、
 「人は地上のことしか信じられません。天に上った者はいないので、天国のことがなかなか理解できません。でも、人の子は別です。天から下って来たからです。」
とおっしゃいます。

 イエス様は、ひとつの譬え話をされます。
 「昔、モーセの時代に、イスラエルの人々が神様に文句を言った時、神様は「燃える蛇」を送られ、多くの人がかまれて死にましたが、その時にモーセが神様から教えられたように、「青銅の蛇」を旗竿の上に付けて高く掲げました。蛇が人をかんでも、その高く上げられた「青銅の蛇」を仰ぎ見た人は死にませんでした。」
 それと同じように、イエス様も、十字架につけられます。十字架のイエス様を見上げて、神様を信じるならば、神様は私たちの霊を新しくして下さいます。永遠のいのちを与えられ、神の国を見、神の国に入ることができるのですよ。

                 (「成長」の教案を参考にアレンジしています。)