教会学校 聖書のおはなし
バベルの塔」 創世記11:1-9  2020年9月27日 綿谷 剛兄

【高い塔を建てよう】
 先々週と先週は、ノアの箱舟の話でしたね。
 大洪水によって悪い人間が滅ぼされて、神様に聞き従ったノアたち家族だけが助かりました。そして神様は約束の虹を与えて下さったんでしたよね。
 さて、それからどれくらいの年月が経ったのでしょう。ノアの子孫が増え広がり、人類はどんどんと繁栄し、文明が栄えていったんです。
 さて、その頃の世界では、ひとつの共通のことばが話されていたと、聖書は言っています。だから、どんなに遠くの国や地方に行っても、外国語を覚えなくても、お話をすることができたんです。
 シンアルの地に移住した人々は、平地をみつけてそこに住みました。そして、素晴らしい都市を建設していました。そして、「高い塔を建設しよう」、そう思い立ちました。
 「自分たちのために、塔を建てよう。」
 「私たちの文明がどれほど優れているか、後の世まで知られるように、誇れるように、頑丈で、高い高い塔を建てよう。」
 「たとえ、洪水が起こっても、流されたり壊れたりしない、そして、水に沈んだりしない、そんな高い塔を建てよう。」
 それまで、煉瓦は、時が経つと崩れてしまうような日に干した煉瓦しかなかったけれど、人間の文明が発達して、堅い堅い焼き煉瓦が作れるようになっていました。それを使えば石を切り出しにいかなくてもいい。そして、それをつなぐためにアスファルトを開発し、使用することができるようになっていました。彼らは、人間の文明の力を誇り、神様に挑戦しようとしたんですね。

【神さまのようになろう】
 人間は、少し、科学や文明が進歩すると、まるで神様になったかのように思ってしまい、もう、神様なんて必要ないって、そんな風に思ってしまったんです。そのとき、神様は、人間が建てた都市と塔を見るために、降りて来られました。そして、人間が神様のことを忘れ、自分たちの力を過信していくことを見て、とても悲しまれました。このままでは、人間は神様から離れ、もっともっと悪いことを計画し、神様が作ったこの世界を悪いものにしてしまいます。
 ノアの時代に、神様が多くの悪い人間を滅ぼして、良い人間だけが残るようにされたのですが、そのような方法を用いても、また、人間は神様を忘れて悪いものになっていくということがとても悲しかったと思います。そして、虹の約束をしたので、もはや洪水によって人類を滅ぼすようなことができません。

【言葉が通じない】
 そこで、神様はその働きを中止させ、人々をばらばらにすることになさいました。それは、「彼らのことばを混乱させ、互いの話しことばが通じないように」する方法によってでした。
 このような大きな建設事業を行うためには、事業の計画をする人、設計する人、材料を作る人、運ぶ人、そのための道を作る人、煉瓦を積み上げる人、塗る人、仕上げる人、たくさんの人々が協力する必要があります。そこには沢山の現場監督がいて、それを束ねるリーダーがいます。
その人たちの話す言葉が、一瞬にして、お互いに通じなくなってしまったんです。
 指示をしても、通じない。聞こうとしても分からない。人びとは、その町を建てるのをやめて、言葉が通じ合う者同士が集まって、全地にばらばらに散っていきました。そして、その町はバベルと呼ばれるようになりました。ヘブライ語で混乱という意味の「バラル」という言葉から来ていると、聖書は言っています。主が全地の話しことばを混乱させ、そこから主が人々を地の全面に散らされたからであると書かれています。
 私たちの文明や文化が発達することはとても良いことです。それによって、私たちの生活が豊かになり、幸せに暮らせるようになることはとてもいいことですね。そして、人々が協力し合って、大きなことを成し遂げることもとても良いことです。
 でも、どうでしょう、戦争が起こったり、貧困があったり、差別があったり、環境汚染や自然破壊があったり。私たちの知恵がどんなに進んでも、神様のようになることはできません。
 いつも神様の前にへりくだり、自己中心にならないように、高慢にならないようにしていかないといけないですね。

                 (「成長」の教案を参考にアレンジしています。)