メッセージ(大谷孝志師)
私達の為に救い主が生まれた
向島キリスト教会 クリスマス・イブ燭火礼拝説教 2017年12月24日
「私達の為に救い主が生まれた」 牧師 大谷 孝志

 ユダヤのベツレヘムで、私達の救い主としてイエスは生まれました。ユダヤ人は救い主が来るとの預言を信じ待ち続けていました。今日の箇所の羊飼いが暗闇の中で夜明けを待っていたことが、この世の人々の心の状態を暗示しています。「一寸先は闇」という言葉があるように、人にとって未来は闇に閉ざされた世界です。相手の心も閉ざされていて、表情や態度でを推測するしかありません。人にとって自分の心の中も闇の世界なのです。自分にとって分からないという事は恐ろしいことです。だから人は恐れ、失望し、時に絶望することもあります。同じように羊飼い達も暗闇の中にいました。その羊飼い達を主の栄光が照らしたのです。彼らは光に照らされました。しかし神を見たと思った彼らは、非常に恐れました。羊飼い達を含めユダヤ人は、人は神を見ると死ぬと信じていたからです。天使は彼らに、喜びの知らせを告げに神に遣わされて来たのです。ですから天使はその彼らに「恐れるな」と言います。救い主が生まれたからです。その主イエスを信じるなら、人は罪人のままで救われ、神と共に安心して生きられる時が来たからです。天使はその喜びの知らせを彼らに伝えました。

 ですから今、主イエスを信じる人は光の子となり、羊飼い達のように光に照らされ、光の世界に生きられます。主が共にいる人には、恐れる必要がなくなったからです。主をまだ信じられない時は、未来を他人や自分を恐れます。しかし、御言の光に照らされる時、希望と勇気を与えられ、その人は絶望から解放されます。ですからキリスト教の教えは福音、良い知らせと呼ばれるのです。私も、献身するかどうかを躊躇していた時、光に照らされ「私があなた方を選んだ」との御言を聞きました。主が共にいると知り、羊飼い達のように喜びと讃美が心に溢れたのを思い出します。

 羊飼い達は天使が告げた事実を確認する為にベツレヘムに行きました。そしてその乳飲み子を探し当てることができました。彼らは乳飲み子に会い、御使いが告げた事が、全てその通りだったと知りました。そして神を崇め、讃美しながら帰って行きました。聖書は私達にも様々な事実を告げています。聖書を読み、祈る生活を大切にしましょう。その中で、主は様々な事を私達に告げています。その告げられた事柄の確かさを体験し、確認し、神の素晴らしさを知り、神を心から崇める者になりましょう。

 羊飼い達は救い主誕生をその目で確認しました。私達は、二千年前に私達の為に生まれた主の誕生を祝っています。私達は教会に来て、イエスが救い主と知らされました。そして、これからの自分の人生の様々な経験の中で、本当かも知れない、本当にそうだと分かる時が来ます。主は私達を闇に閉ざされた世界から、光の世界に移す為に世に誕生しました。それを祝う日がクリスマスです。私達の為に生まれたイエスは、今も救い主として私達を見守っています。そして「私を信じなさい。あなたは闇の世界にいると思っているが、それはあなたが心の殻に閉じこもっているからです。殻から出てご覧なさい、明るい光があなたを照らしているのに気付きます。安心しなさい。心を開いて外へ出てご覧なさい。」と語り掛けています。