メッセージ(大谷孝志師)
預言は成就する
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2019年6月9日
ヨエル2:28-32 「預言は成就する」 牧師 大谷 孝志

 五旬節の日、余りにも突然の事でしたが、驚くべき事が起きました。弟子達が聖霊に満たされ、大胆に神の言葉を語ったからです。彼らは、自分の内に力強く働く御力を知り、神が共にいることを実感し、大きな喜びを感じたでしょう。その体験は彼らの人生を大きく変えたと思います。また、弟子達が御霊が語らせるままに語る言葉を聞いた人々は神の大きな御業が行われていたことを知りました。それは彼らには想像も付かない驚くべき事でした。彼らは自分達が信じている神の御心を知らず、御心とは全く逆の事をしていたと知ったのです。彼らは愕然としました。その時の人々の心の様が、聖書にここにしか使われていない「心を刺され」と言う言葉が表しています。彼らも弟子達と同様に神が共にいて、自分達に力強く働いているのを感じ取ったのです。ですから、使徒達に「兄弟たち、私たちはどうしたらよいでしょうか」と尋ねたのです。使徒達を含め大勢の人々が、主の約束の実現を待ち、「家」とありますが、神殿の恐らくソロモンの回廊に集まって祈り続けていたと思われます。それまで、怪訝な眼差しで彼らを見ていた巡礼に来た人々は、この出来事で、使徒達が神の真の民で、御心を知る人々だと認めざるを得ませんでした。それが「兄弟たち」という呼び掛けに表れています。

 使徒達と人々が一つになった時、そこに信仰の覚醒・リバイバルが起き、聖書は「その日、三千人ほどが仲間に加えられた」と記します。ヨエル2:28-29の預言がこの日に成就したのです。集まっていた全ての人に主の霊が注がれたのです。一人一人が主の霊に満たされ、新しい人として歩み始めました。使徒2:45に「財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた」とあるように、彼らは霊的事柄だけでなく、日常生活を維持する為に必要な事もしていました。しかし2:42に「彼らはいつも」とあるように、聖霊に満たされた人々は「使徒たちの教えを守り、交わりを持ち、パンを裂き、祈り」に専念していました。それに専念すべき時にはそれに専念していたのです。私達も礼拝や集会で教会に来ている時は特に、主との関係、主にある兄姉妹との交わりに集中することが大切と教えられます。「まず神の国と神の義を求める」。それが主の御心だからです。

 主は私達にも聖霊を注いでいます。ですから私達は、聖書を通して示された主の教えを守り、主にある兄弟姉妹としての交わりを保ち、礼拝を守り、一人で、或いは集まって祈ります。旧約時代のヨエルの預言が成就しているのです。このように、主はペンテコステの日以来、全ての人に主の霊を注いでいます。何の為でしょうか。主の最終目的は、今の天と地を過ぎ去らせ、新しい天と地と神の都を到来させ、神を信じる人々を神の都に招き入れ、恵みと平安の中で神と共に永遠に生きる者とすることです。今私達が生きている世界は、終わりの日が来ると全て滅ぼされます。その日は「主の大いなる恐るべき日」だからです。主は罪の世界を一掃します。しかし主は、十字架と復活の主を信じ、主の御名を呼び求める者が救われる道を開きました。主は一人でも滅びることを望まず、悔い改めて主に立ち返るのを待ち続けています。その道の素晴らしさに気付かない人々が、一人でも気付いて救われるようにと、主は私達に聖霊を与え、この素晴らしさを伝えさせているのです。私達は聖霊の助けを受けて、この素晴らしさを知りました。「主の御名を呼び求める者はみな救われ」ます。この預言は真実です。成就します。人々に福音を伝え、主の御心に応えましょう。主の預言は必ず成就します。