メッセージ(大谷孝志師)
キリスト者の強さの秘密
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2019年7月21日
使徒4:23-35 「キリスト者の強さの秘密」 牧師 大谷 孝志

 ペテロとヨハネはユダヤの最高議会の尋問を受けたが、堂々と答え、釈放されました。彼らは無学な普通の人でした。彼らの強さの秘密は何だったのでしょう。主が近くにいたからです。二人を迎えた仲間の弟子達は彼らの話を聞いて、心を一つにして、神に向かって声を挙げました。私達も、礼拝や集会で、一人一人声に出して祈りますが、皆で揃って、声を挙げて、神に祈ることも良いことなのだと教えられます。しかし、彼らが聖霊に満たされて神のことばを大胆に語り出したのは、彼らが声を挙げて「しもべたちにあなたのみことばを大胆に語らせてください。また、御手を伸ばし、あなたの聖なるしもべイエスの名によって癒しとしるしと不思議を行わせてください」と祈り終えた後でした。ここにキリスト者の強さの理由の一つが示されています。ペテロの話を聞いた人々は、イエスの名によって行われた癒しの奇跡をユダヤの指導者達が認めざるを得なかったことを知りました。これは主イエスが自分達を支配していたこの世の権威、権力に勝利したことに他なりません。それは主イエスがこの世の支配者であると示されたことであり、新しい時が到来したと彼が信じるに十分なことだったのです。主イエスが支配する世界、神の国に生きていると知るから、彼らは力強く祈れたのです。

 さて、神の国に生きているということを、私達はどう考えているでしょうか。それは神が、主が共にいることです。聖書には主に求めてきた人は、主の前に平伏したり、跪いたりして、主に願い求めています。そうせざるを得ない思いが彼らを捉えたからです。今日の箇所の祈りの姿勢については、聖書に記されていません。しかし、彼らは主の御前に平伏す思いで神に祈っていたと私は思います。彼らは、自分達は主の御前にいると信じていました。そうでなければ、29,30節の祈りができる筈はありません。彼らは主が自分達の前にいてこの祈りを聞いていて下さると信じて祈っています。この信仰が大事です。自分達は神の御前にいる、神は今、自分達の祈りを聞いているとの確信が、彼らを強くしているからです。

 キリスト者の強さは、自分の知恵や知識の豊かさ、行動力、判断力の強さによるのではありません。神が共にいる、神が自分達を今見守っている、その確信、信仰がキリスト者を強くするのです。私達は今、神の国に生きています。主イエスがこの世界を支配しています。信じましょう。確信しましょう。その信仰を主は喜び、私達を強くしてくれます。そのように、私達はこの世の全ては主に支配され、主のみ手によって行われると知るので、足りないものがあろうと、困難に直面しようと、願いがなかなか叶えられなくても、全てを主に委ねて安心して生きられるのです。その主が私に必要とするものを必要な時に与え、養ってくれると信じられるのです。ですから、ここに集まり、使徒達と共にいた大勢の人々は、心と思いを一つにできました。全てを共有できました。大きな恵みが彼ら全員の上にあったからです。自分達が一緒に生きる中で、主の恵みを実感できたから、彼らは強く生き続けられたのです。そして彼らは、自分自身から自由になれました。それだけではありません。自分が所有する持ち物からも自由になれたのです。それらを売ってその代金を使徒達の足下に置いたからです。使徒達を全面的に信頼していたからです。彼らだけでなく、群れにいる全ての人を信頼していました。それができたのは主を信じる者の内に働く主を信頼していたからです。ですから彼らは強い者とされ、止めずに福音を大胆に宣べ伝え続けられた(5:42)のです。