メッセージ(大谷孝志師)
まだ肉の人ですか
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2019年12月15日
Tコリント3:1-9 「まだ肉の人ですか」 牧師 大谷 孝志

 今日の個所に3種類の人が出てきました。御霊に属する人と肉に属する人とただの人です。肉の人というと世の人々、まだ主を知らないので、教会に来ない人々を考えるかもしれませんが、パウロはここで言う肉に属する人は「キリストにある幼子」のような人という意味です。明らかにキリスト者を指しています。更に、3:3でこの手紙の読者に「あなたがたはまだ肉の人であり、ただの人として歩んでいる」と言います。今の状態では、キリスト者とは言えないと言う意味です。しかし、1:2では「キリスト・イエスにあって聖なる者とされ、聖徒として召された方々」と彼らを呼んでいるのです。それなのに、何故彼らは彼に、肉に属する人で御霊に属する人ではないと言われてしまったのでしょうか。

 では、御霊に属する人とはどんな人なのでしょう。パウロは自分達は御霊に属する人と考えています。彼は「私たちは人間の知恵によって教えられた言葉によってではなく、御霊に教えられた言葉を用います。その御霊の言葉によって御霊のことを説明するのです」と2:13で言っています。私達は聖書を読んだり、祈ったりしている時、主が自分に語り掛けて来たと思った経験はないでしょうか。自分が今まで考えもしなかった事やこうしたいなと思っても無理だと思っていた事が自分にできると気付くことがあったのではないでしょうか。自分の知恵では到底分からなかった事を理解できるようになったことはないでしうか。2:9に「人の心に思い浮かんだことがないものを、神は、神を愛する者たちに備えて下さった」とある通り、それが御霊の働きなのです。彼らも私達と同じような御霊の働きを経験した筈です。では何故彼は、彼らが肉に属する人だと言うのでしょう。それはこの教会の中に妬みや争いがあるからです。それが彼らを、御霊に属する人から肉に属する人に変えてしまっていたのです。彼らのある人は「私はパウロにつく」と言い、別の人は「私はアポロに」と言っていっていたからです。彼らは、自分が見た事、聞いた事で、相手を崇拝してしまっていたのです。自分は主イエス・キリストを信じていると思っていても、主に頼るのではなく、自分の知恵、判断力に頼って相手を判断しているので、御霊に属している人とは言えないのです。

 主に従っているつもりで、パウロやアポロという人である信仰的指導者に従っていた彼らは、その人間を偶像のように信じているのに気付かなかったのです。だから、彼らはキリスト者であると思っても、信仰が成長しなければならないる幼子で、世の人と同じような肉に属する人、ただの人として生きているに過ぎないと彼は言います。だから彼は、彼らに乳を飲ませるだけで、固い食物を与えなかったのです。でも、彼らを放置しているのではありません。この手紙を書いているからです。彼は、この教会の人々が本当の意味でキリスト者となって生きて欲しいのです。キリストのものとなり、主が命じたように、自分を捨て、自分の十字架を負って生きる者になって欲しいのです。それが固い食物です。自分がキリスト者であることに安心せずに、ただ主イエスを見つめ、主だけを信じていて欲しいのです。

 人に頼るのではなく、主に頼りましょう。主に成長させて頂きましょう。私達がしっかりと主に繋がって生きるなら、主は私達を成長させ、教会を成長させて下さいます。一人でも多くの人が霊に属する人となり、一人でも多くの人がこの教会の働きを通して救われるように祈り求めましょう。人の助言、指導に頼るのではなく、聖書により語る主の助言、指導に頼る御霊に属する人になりましょう。