メッセージ(大谷孝志師)
聖霊の力を受けて働く教会
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2022年2月6日
使徒1:6-8「聖霊の力を受けて働く教会」 牧師 大谷 孝志

 主は、イスラエルの民を率いて約束の地カナン侵入を目前にしたヨシュアに、「強くあれ、雄々しくあれ、恐れてはならない。おののいてはならない。あなたが行くところのどこでも、あなたの神、主がともにおられるのだから」と言って励ました。教会の使命は福音宣教。復活の主イエスは弟子達に「聖霊があなたがたの臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります」と言った。

 ここに教会があり、私達はここに招かれ、主を礼拝している。私達が恵みと平安を頂き、この世に生きる為。しかし私達がここにいるのはその為だけではない。主が弟子達に命じたように、世に出て行って、十字架と復活の主の証人として、世の人々に福音を伝える為。しかし、その為には、主がヨシュアに言ったあの励ましの言葉が必要。何故か。私達に福音を伝える為の十分な知恵と力がないから。

 神はエレミヤに「わたし自身、あなたがたの為に立てた計画をよく知っている。それはわざわいではなく、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」と言った。しかし私達は神の計画の全てを見通せない。神が万事を益とするとの御言葉を知っていても、肉の体で生きる私達は、その事をなかなか信じ切れない弱さを持つ。罪が私達の霊の目を覆っているから。神については無知無能と言える。しかし、だからと言って諦めたら福音を伝えられない。

 私達が確信を持って主を信じる素晴らしさを伝えなければ、誰も教会に来ない。復活の主と会った使徒達はヨハネ20:19,26を見ると戸に鍵を掛けて家の閉じ籠もっていた。ユダヤ人を恐れていたから。しかし彼らは福音を人々に大胆に伝える者となった。何故彼らは確信を持って主の証人となり、福音を伝えられたのか。彼らが聖霊に満たされ、神の御心をはっきりと知ったから。彼らが霊の人となったから。私達も聖霊に導かれたからこそ「イエスは主である」と告白してバプテスマ受け、賜物として聖霊を受けている。そして聖霊はこの教会に満ち、主イエスを信じる一人一人の内に宿っている。聖霊が働いているからこそ、私達は教会で、そしてこの世で主の為の働きができている。しかし問題は、私達がどれだけ聖霊の力を実感しながら生きているかどうか。聖霊の力を受けて働く人生は平安と喜びに満ちた人生。何よりも、自分が今神の国、神が全てを支配している世界に生きている実感できる人生。しかし世の人々はその世界を、そこに生きる喜びを知らない。私達も、神が何もしてくれない、神は何をしているのかと苛立つことがあるのでは。聖霊の働きがあればこその自分を見失っているからと気付こう。 私達を創造した神は、神と断絶関係にいた私達を再び、神と共に生きる神の民とする為に、御子イエスの十字架と復活により、断絶の原因となっていた罪を取り除き、神との関係を元に戻している。しかし、主イエスを信じ救われ、神を身近に感じられる世になっていても、私達の体はこのようにおいては肉のままなので、聖霊の働きを見失ったり、感じ取れなくなったりなってしまう。だから、私達は聖霊を受けて働く自分達といつも意識するようにしよう。私達が生きている世界は全てが意味も目的も無く動いているのではない。聖霊の働きにより、終末、主の再臨の日に向けて、着実な歩みが続けられている。しかし世の人々は完全に罪に支配された肉の体のまま生きているのでそれが分からない。私達が聖霊の力を受けて働き、主の救いの御旨、福音を世の人々に伝える務めがあると知ろう。