メッセージ(大谷孝志師)
全世界の救い主誕生
向島キリスト教会 クリスマス・イブ燭火礼拝説教 2022年12月24日
「全世界の救い主誕生」 牧師 大谷 孝志

 イエスは、ユダヤのベツレヘムで、全ての人の救い主として生まれました。羊飼い達は夜通し羊の群の番をしていました。ユダヤ人は救い主到来の預言は知っていました。でも実現しないまま、数百年が経っていました。暗闇の中で夜明けを待っ羊飼いが当時のユダヤ人の心の状態を暗示しています。「一寸先は闇」、人にとって未来は闇に閉ざされた世界なのです。表情や態度で人の心を推測するしかないこの世も、時折分からなくなる自分の心の中も闇の世界ではないでしょうか。分からないとは恐ろしいことです。ですから人は恐れ、失望し、時に絶望することがあります。今も、闇の中で光を待ち、救いを求める人々がいます。暗闇の中にいた羊飼い達を主の栄光が照らしました。彼らは主の栄光という尋常でない光に照らされ、非常に恐れました。天使は彼らに喜びの知らせを告げに来たのですが、神は聖なる方で、人は神を見ると死ぬと信じていたユダヤ人の羊飼い達は、自分達は死ぬかもしれないと思い、非常に恐れたのです。天使は「恐れることはありません」と言います。救い主が生まれたので、人は罪人のままで救われ、神と共に安心して生きられる時が来ているからです。天使はその喜びの知らせを彼らに伝えに来たのです。

 人は未来を他人や自分を恐れます。でも主イエスを信じるとそれらを恐れなくて良いことが分かります。主イエスを信じると真理を知ることが出来ます。そうすると希望と勇気を与えられ、絶望から解放されるからです。私も若い頃、献身するかどうかを躊躇していた時、光に照らされ「私があなた方を選んだ」」との御言を聞き、主が共にいると知り、羊飼いのように喜びと讃美が心に溢れました。

 羊飼い達は天使が告げた事実を確認する為にベツレヘムに行きます。そして馬桶に寝ているみどり子を探し当てます。そして見聞きしたことが、全て天使の話した通りだったと知り、彼らは神を崇め、賛美しながら帰ったと聖書に記されています。聖書は私達にも様々な事実を告げています。聖書を読み、祈りましょう。主イエスが共にいること、聖書の言葉が確かなことだと実感できます。それを生活の中で体験し確認できます。私達も神の世界に生きる素晴らしさを知り、神を心から崇める者になりましょう。

 二千年前、羊飼い達は救い主誕生をその目で確認しました。私達も今日、二千年前に私達の為に生まれた主の降誕を祝っています。私は教会に来て、イエスが救い主と知らされ、自分の人生の様々な経験の中で、本当かも知れない、本当にそうだと分かりました。闇に閉ざされた世界でなく、光の世界にいます。それは素晴らしい世界です。イエスは今も救い主として全ての人を見守り、「安心しなさい」と語り掛けています。

 主イエスを信じ救われると永遠の命を頂き、神は主イエスを信じる者に特別な力を与えます。神と共に生きられるように霊的力を与えてくれるからです。神から戴いたこの霊的力が、光として人を照らします。この光に照らされると、主が自分と共にいると分かるのです。光に照らされない人にとって世は暗いままで、過去・現在の意味も、将来何があるかも分からず不安になります。

 ですから、ここに教会があるのです。今も、教会が世の光として主イエスを信じることの素晴らしさを知らせ続けているのです。「主を信じると、光が心に輝きます。主を信じれば人生は変わります。人生に希望を持てます。」イザヤ40:31に「主を待ち望むものは新しく力を得、鷲のように。翼を広げて上ることができる。走っても衰えず、歩いても疲れない。」とあります。その主が救い主としてこの世に生まれたことを感謝し、喜び祝う日、それがクリスマスです。