メッセージ(大谷孝志師)
喜んで生きられる秘訣
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2023年5月21日
ピリピ4:4-13「喜んで生きられる秘訣」 牧師 大谷 孝志

 人にとって一番素晴らしいことは、いつも喜んでいられることではないか。とは言え、世に生きていれば様々な事があり、いつも喜んでいられないのが現実。

 聖書を読むと、喜んでいる人が大勢出て来る。この世の現実の中で、苦しみ、悲しむ大勢の人々が、主イエスに出会い、喜びを味わっている。この手紙は別名「喜びの手紙」と言われる程に喜び、喜ぶという言葉が溢れている。でもUコリント11章をみるとパウロの伝道旅行は生易しいものではなかったことが分かる。また、彼は強い個性の持ち主で、人々に理解されにくいところがあり、彼自身辛い思いをしたと考えられている。それに、この手紙を書いている時も、獄中で、いつ殺されるか分からない状況だが。その中で彼は「喜びなさい」と命じている。しかし彼は、ただ喜びなさいと言うのではない。「いつも」主にあって喜びなさいと言う。私達がこの世で、いつも喜んで生きられるようになるには、ここで彼が言う「三つの勧め」と、彼がどうしていつも喜んでいられたかを学ぶ必要がある。

 第一の勧めは「何も思い煩わないで、あらゆる場合に、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい」。先ずは、神との霊的交わりと、人格的対話の時を持つこと。つまり神と心の交流を持つ事。別に神がかりになることでも超能力者になることでもない。神と交流の時を持つと言っても、実際には人には一方通行にしか感じられない。しかし私達が、その神への心の方向性を保ってさえいれば、神は聞いているよとのサインを送っていて、それに気付くと、私の願いを神が知っているという安心感、充実感を得る。願いが叶った訳ではないが、神の愛を感じ、その神に全てを委ねられる。ここに、主を信じる者が、何事にも思い煩わずに、喜びに満ちた生活を送れる秘訣がある。

 第二の勧めは8節「最後に、兄弟たち」で始まり、「心を留めなさい」で終わる勧め。この世に生きていると、様々な人や事柄に会い、嫌な思い、煩わしい思いをすることはある。神がこの世を支配し、この世の出来事は全て御手の内にある事だと分かってはいても、受け入れられるものとそうでないものがあるのは確か。だから彼は、心に留めよと言う。心を静めて周囲の人々がする事を見よと言う。意外に素晴らしい物事であるのに気付かされるから。自分にはどのように見えるものであっても、それを受け入れてみると、上5x辺だけで見て、見過ごしていた良さに気付かされるものがある。それもまた、喜びに満ちた生活への秘訣となる。

 第三の勧めについて彼は「私から学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことを行いなさい」と言う。第二の勧は心に留めなさいだったが、行いなさいと彼は言う。言うならば、教会の働きを通して知らされた御旨の実行を彼は勧める。牧師の説教、兄姉の証、聖書を読み、祈る中で与えられた御言葉、示された御旨、これを行うことが、いつも喜んで生きる為には欠かせないものと、彼は教える。

 とは言え、私達はこれら三つの勧めを行うことが、自分には無理と思ってしまうことがある。彼は「私は、どんなん境遇にあっても満足することを学びました」と言う。ここに三つ勧めを可能にする最後の秘訣がある。彼は「ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得て」いたと言う。しかしそれは、主が彼を強くして下さることによって、彼をどんなことでもできる者にしたから。だから彼に出来た。私達にもその道は開かれている。主に強くされるなら、何事でも出来る経験が可能に。彼の勧めを実行し、世の現実に負けずにいつも喜んで生きる者になろう。