メッセージ(大谷孝志師)
聖書は救いの道路地図
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2023年6月4日
Uテモテ3:14-17「聖書は救いの道路地図」 牧師 大谷 孝志

 動物は、生存する為には、何をすべきか、何をしたらどうなるかという知識を獲得する。水の中に落ちて溺れそうになり、火に近付いて火傷しそうになれば、水や火が危険で近付いてはいけない知識、遭遇した他の動物の大きさや強さにより、敵か無視してよいか、餌かを判別する知識を獲得する。だから生後すぐの動物は自然の中に放置されたら、生存の可能性は限りなく零に近い。だから独り立ちする迄、親が保護し餌を与える。更に、親が持つ生存の為の知識の伝達が必要。

 動物のこのような学習は、生まれつき個の保存、種の保存本能の故。帰巣本能のように学習しなくても身に付いている本能もあるが、動物は個、種として存在し続ける為に、聞く、見る、体験するという学習を通して、行動形式を確立する。人間も同様。様々な事例経験の中で自分の行動を選択をし、学習を積み重ねて成長する。しかし人間の場合は、霊的成長という要素があるのを忘れてはならない。

 創世記を読むと、人は他のあらゆる被造物から区別されている。人は最期に創造され、他の全ての被造物を治めるよう命じられた。そして、本質的に他の被造物と違うのは、神と人格的関係を持ち、対話していること。神は意志を持つ。故に自分が存在することを認める意志を持つ存在を必要とし、人を「私とそれ」ではなく「私とあなた」という関係を持つものとして創造した。昔、猿が神を礼拝する「猿の惑星」と言う映画があった。人が世界を破壊した結果、神は人の霊的能力を奪い、神にその力を与えたから。こういう映画は、人が霊的能力を持つのは神が与えたと知るキリスト教国、聖書的伝統を持つ国でなければ制作できない。

 神は人に与えた霊的能力、人が神との人格的関係を正しく維持出来るように、神はイスラエルの民を自分を礼拝する民として特に選び、神として関わり続け、時に人の姿で、時に夢の中で御心や立てている計画を知らせた。しかし、人に、様々な出来事を通して神に喜ばれること、喜ばれないことの区別を学習させても、人にとってそれは大変難しく、むしろ神に怒られることの方が多く、学習の成果は中々上がらなかった。そこで神は,人を本質的に変える計画を立てた。御子イエスを主キリストとして世に遣わし、主の十字架と復活により、人を新しく造り替え、主イエスを信じるなら、神と心が通じ合え、心から神を礼拝し、神に喜ばれる事は何かを知り、しかもそれを行えるようにと、助け手として御霊を与えた。

 でも私達は主イエスのように完全ではない。神に喜ばれる人として生きられない。だから,どうすれば目的地に着くかが分かる道路地図のように、人が神に喜ばれる者として正しく生きられる道を示す聖書という最高の道路地図が有る、それを見よとパウロは教える。地図には様々な記号があり、その意味を理解すると目的地に着ける。聖書の言葉も記号。だからこそ神は御霊という助け手を与えた。牧師の説教、信仰の友の証。そして十字架と復活の主イエスの意味を理解させる。それにより聖書の愛、奉仕、忍耐、希望、従順等の記号の意味が分かるようになると、友に対し、主に対し、どう生きたら良いかが、どうすれば神に喜ばれる者になれるかが見えて来る。しかし、悪魔が信仰生活の中に様々な障害物や迷路を作り、目的地に到着しないようにする。だから私達は、日々聖書に親しみ、祈りつつ聖書を読もう。聖書という救いへの最高の道路地図に頼ろう。御霊に助けられ、聖書の記号を正しく理解し、滅びの道に迷い込まずに、神に喜ばれる人になるという目標を目指してしっかりと歩み、正しい道、救いへの道を歩んで行こう。