メッセージ(大谷孝志師)
救いの達成に努めよう
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2023年8月20日
ピリピ2:12-18「救いの達成に努めよう」 牧師 大谷 孝志

 今日の個所でパウロは「恐れおののいて自分の救いを達成するよう努めなさい」と、救いは私達人間が自分の責任で達成するものだと言う。そんなことを言われても、自分には無理と思うのは私だけではないと思う。しかし彼は、救いを達成しなさいではなく、達成するよう努めなさい、努力しなさいと言っている。これが重要。

 彼はピリピ教会の人々が、パウロがこの町で福音を伝え始めてから今に至るまで、福音を伝えることに自分と共に携わってきたことを知っている。しかし今、彼は獄中にいる。自分が離れていることで、この教会にも幾つかの問題が生じたと知らされた。だからこの手紙を書いた。この教会がそれらの問題を克服し、キリストの体である神の教会に相応しい群れとなる為に「キリストの福音にふさわしく生活しなさい」と命じた。その為には、キリストが神の御姿であるのに、ご自分を低くして、僕のかたちを取り、人間と同じようになり、自らを低くして、死にまで、それも十字架の死にまでも従順であった主イエスの思いを抱いて生きよと命じる。

 私達にとって、十字架の主の思いを心に抱いて生きることはとても大切。それが自分の救いを達成することになると知って努力しても、努力しきれない自分と知るから。思いはある。努力もする。でも行い切れない。主はその私達を知り、彼の言葉を用いて私達にすべき事を教えた。それだけではない 出来る理由を教え、出来ることによって与えられる将来がどんなに素晴らしいものかを教え、私達を励ましている。

 私達が福音を伝えたいと思い、世の人に救われて欲しいと願う時、これは私達の思いだが、神が思い、神が人々の救いを願い、私達にそれを願わせているからだと彼は教える。自分の救いを達成したい。世の人に救われて欲しいとの思いの源が神の内にある。私達の思いは、御霊が私達の内に働いて志を立てさせたからであり、神が私達にそれを行わせてくれるのだから、安心し、全てを神に委ねて行えば良いと教えられる。とは言え、自分の救いの達成を努めるの私達は、この世に生きている。だから、努力が実を結ぶ人もいれば、結ばない人もいる。努力していなくても目的を達成している人もいる。神のみを見詰めていればよいのだが、どうしてもそんな他の人が気になる。そこに不平不満、疑いが生じる。しかしそれを乗り越えよ、と彼らに言う。努力すれば、御霊が助け、乗り越えさせて頂けるから。救いの達成に自分が努めれば達成出来る。私達はそれが信じられる信仰の世界。主が私達に関する全てを支配する世界に生きているから。

 では、自分の救いを達成できるとどうなるのか。私達は非難される所のない純真な者となり、曲がった邪悪な世代のただ中にあって傷のない神の子どもとなり、命の言葉をしっかり握り、彼らの間で世の光として輝く者となれると彼は言う。その為には、恐れおののいて自分の救いの達成に努めることが必要と彼は教える。何故恐れおののくのか。それは自分が罪人としてこの世に生きているから。私達が罪人であるにも拘わらず、神は私達を愛し、傷のない神の子としてこの世に生きる者としてくれている。私達はその神の御前にひれ伏すしか無いから。でもそのような自分を知り、そのような神を知る私達を、神は助け、自分の救いを達成できるよう努めさせ、達成させる。

 神が願うのは、私達が世の光として輝くことだから。それにより、私達が世の人々をを照らす光となることで、福音が人々に届くから。福音宣教は大事業。阻む悪の力も強い。だから不平を言わず、疑わずに福音を宣べ伝えよう。私達が福音を伝え、世の人々の為の光となることが、私達が自分uの救いを達成する為の道になるから。この道を歩み、自分に託されている使命を果たし、救いを達成出来た恵みを味わう私達になろう。