メッセージ(大谷孝志師)
この戦い勝利できる
向島キリスト教会 夕礼拝説教 2023年11月19日
ローマ8:31-39「この戦い勝利できる」 牧師 大谷 孝志

 私は今日の「神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょうか」というパウロの言葉を読んだ時、サムエル記上17章のペリシテ人の強大な敵兵ゴリアテに挑戦しても勝利できるとの信仰を言い表した少年ダビデの言葉に重なるものを感じた。彼のその信仰は、父の羊の群れを獅子や熊が来てを襲い、群れの羊を取って行った時、その後を追って出て撃ち殺し、羊を救い出し、自分に襲い掛かってきた時も、それを撃ち殺した。獅子や熊の爪からも僕の私を救い出して下さったとの経験に基づくもの。「だから主は、このペリシテ人の手からも私を救い出して下さる」と、ダビデは自分の申し出をいぶかるサウロ王に言った。

 日本の教会はどこも開拓伝道という戦いの最前線で、福音の前進を阻む強大な敵であるサタンとの戦いを続けている。キリスト教人口が1%台という状況が続く現状の中でも戦いを続ける信仰の裏打ちとなっているものは何か。それは全ての人を悪の力から救い出す為に御子を世に与えるほどに愛した父なる神の愛、父がお望みになることが行われますようにと、死にまで、それも十字架の死にまで従った主イエス・キリストの十字架の死に顕されている神の愛、アガペーの愛。

 御子をさえ惜しまずに死に渡された神は、この開拓伝道という戦いにも必要な全てを与えると私達が信じていることが大切とパウロを通して教えられる。新改訳聖書には無いが、ギリシア語聖書の原文には神がに「もし」が付く。パウロは福音を伝える私達が弱い人間であり、主を信じていても、自分達が置かれている現実を思い、こんな状態でも私達は神に愛されているのか、神が愛であり、これが御心であるなら、何で自分達はこんな状態で苦しまなければならないのかと呟いてしまう者だと知るから。だからパウロは、私達の弱さを踏まえた上で、神が私達の味方であることを心に刻み直しなさい。そうすれば、福音の前進を阻み、神の愛から人々を引き離そうとするどんな悪も、私達に敵対できないと知りなさいと教える。

 確かに福音に生き、福音を宣べ伝え、主イエスが共にいると信じていても、苦難、苦悩、迫害、飢え、裸、危険、剣の危険がキリスト者を襲い続けてきた。この世に今生きる私達も自分が危険な状況に置かれていると思い、意識的、無意識的に心が主から離れてしまうことが。だからパウロは言う。「死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが、神の右の座に着き、しかも、私たちのために、とりなしていてくださる」と。主も言う。「これらの事をあなたが方に話したのは、あなたがたが私にあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました」と。私達はその主イエスが支配する世界に生きている。私達に不安や恐れを与えるどんな存在も恐れる必要は無い。「どんな被造物も、私達の主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません」とパウロが言う通りだから。私達もダビデのように、強大な敵兵に挑戦し勝利できるとの信仰を堅く持って、世の人々に福音を伝える開拓伝道の最前線に立ち、福音宣教という神の御業に励もう。「堅く立って動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがは、自分たちの労苦が主にあって無駄でないことを知っている」のだから。

 私達はこの信仰の戦いに勝利できると信じて、福音を宣べ伝え続けよう。この戦いに勝利する為には、私達は十字架と復活の主イエス・キリストを信じるだけで良い。何故なら、神が信じる私達の味方で、誰も私達に敵対できないのだから。