メッセージ(大谷孝志師)
私達を闇から光の世界に
向島キリスト教会 クリスマスイブ 夕礼拝説教 2023年12月24日
ヨハネ1:1-5「私達を闇から光の世界に」 牧師 大谷 孝志

 主はなぜこの世にお生まれになったのでしょうか。神がお造りになった人々は、悪の力に支配され、霊的闇の世界の中で、希望を持てずに藻掻き苦しんでいたからです。ですから、主イエスが生まれる以前の出来事が旧約聖書には、人々の欲望、欺瞞、羨望、裏切り等の記事が数多く書かれています。神はそのような人間を見捨てず、預言者を遣わして人々をご自分の方に立ち帰らせようとしたのですが、人は自分の欲望のまま生きられれるその世界から抜け出そうは思わなかったのです。正に霊的闇の世界なのですが、神はその人々に立ち帰る時を与える為に、太陽の光と十分な水を与えていたので、様々な争い、葛藤、怒り、憎しみがあっても、人はその時々に自分にできる事をし、自由にのびのびと生きていたのです。しかし、権力や地位の或る人、経済的に或いは人間関係に恵まれた人は良くても、貧しい人、虐げられている人、力の無い人々は、闇に押し潰されそうになる中、苦難や絶望の中で生きなければならなかったのです、人々は罪と悪が支配する世界に生きるしかなかったのです。

 ですから神は「時は満ちた。神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と人々に告げるイエスをこの世に与えたのです。人が皆が喜んでこの闇の世界から光の世界に生きる者となる為です。人はこの世に生まれ、福音を宣べ伝え、十字架に掛かって人を罪と闇の世界から救い出す主イエス・キリストを信じて生きるなら、希望を持って生きられます。希望があるから、困難を耐えられます。しかし人は、弱く有限な存在です、忍耐しなければならない時が無限に続くように思えると疲れ果てます。人にとって「一寸先は闇」だからです。羊飼い達に「民全体に与えられる大きな喜び」が告げられたのが夜であったように、主を信じていても、主が共にいても人の心は闇の状態にあるからです。

 羊飼い達が野宿しながら、夜通し羊の群れの番をしていました。一生懸命に自分達の仕事をしていたのです。今私達はローソクの薄明かりの中で礼拝しています。世の中には、輝く光の中でクリスマスブの買い物をしている人もいるでしょう。しかし、クリスマスの本当の意味を知っている人はごく僅かです。照明の光に照らされていても、様々な不安や恐れをクリスマスの雰囲気に紛れさせている人もます。神は本当の喜びがその人々には無いと知っています。神は彼らの心が闇であり、神の栄光の光に照らされる時、自分達の心が光に照らされた世界に変わると知らせる為に、御子イエスを世に与え、ベツレヘムにいたヨセフとマリアの子として誕生させたのです。ベツレヘムは、イスラエルの二代目の王ダビデと一族の故郷でした。それでダビデの町と呼ばれ、ヨセフもダビデの家に属していたので、救い主イエス様がこの町で生まれたのです。ですから天使が「今日ダビデの町で、あなたがたの為に救い主がお生まれになった」と告げたのです。そして救い主は「飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」だと言います。羊飼い達は信じて「主が知らせて下さったその出来事を見ようではないか」と言ってベツレヘムに出掛け、捜し当てました。「この方、主イエス・キリストには命があり、人の光」と聖書は教えます。羊飼い達が天使の言葉を信じて行動したように、私達にも様々な真実を告げています。聖書の言葉、主の御言葉を信じましょう、主の御言葉が光となって私達の心を照らし、私達が闇の世界でなく、光の世界にいると悟らせます。乳飲み子が救い主と御使いが告げた時のような主の光は人の目には見えません。しかし救い主がお生まれになって以来、全ての人は神の国にいるのです。今、私達の心には主の光が輝いています。主は「あなたがたは世の光である(マタイ5:14)」と言います。私達の心の中に輝く光で世の人々を照らしましょう、皆で主の御降誕を心から喜び祝いしましょう