「御霊による歩み」     南沢満雄

 「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊御自身が 言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。」  (ローマ8の26)

 2003年10月、英国から元捕虜の方々が、和解の旅で向島に立ち寄られました。 恵子ホームズさんの主宰する「アガペ」の呼びかけに答えられた方々です。
 教会での歓迎昼食会の後、中央小学校で5年生との交流会、そしてメモリアルプレート前では、この地で亡くなられた23名を偲ばれました。

 ご一行の中に、ロンドンで日本人教会を助けておられるスティーブ・メトカフ師夫妻がおら れました。宣教師の両親と共に中国に住んでいた時、第二次大戦が勃発、捕虜収容所に入れられました。そこに、映画「炎のランナー」のモデル、スコットラン ド出身のエリク・リデル師も収容されており、彼は祈り会で「日本のため祈りましょう。自分の力では祈れなくとも、聖霊に依って祈れます。」と勧めたそうです。
 終戦直前、エリック師は脳梗塞で召天しました。その棺を担いでいた時、メトカフ少年は神からの啓示を受け、日本へ宣教師としてわたる決心をされ、やが て40年間、北海道と青森で奉仕されました。

 中国生まれの伝道者ウォッチマン・ニーは 「キリスト者の標準」(いのちのことば社)という本の中で「御霊によって生きるとは、自分自身ではなし得ないことを、私の内において 御霊がなしてくださるために、御霊によりたのむことです。」と述べております。

 私は、しばしば失敗と、挫折感にうちのめされることがありますが、そのような時 「どうして、もっと私により頼んでくれないのか」という優しい主のみ声を聞く思いがいたします。
 創造主が、心の奥底にまで、きてくださって共に生きてくださる。 心の闇が深いほど、その光は輝きわたる。 そのような不思議な体験をさせられます。
 御子を与え、その十字架と復活を通して、聖霊なる神ご自身を住まわせてくださった大いなる神の恵みと愛に驚かされるのであります。 (写真、恵子ホームズさん右側がメトカフ師)